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“Like” はインフレーションを起こさないのか

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少し前になりますが、Ogilvy の上級副社長 Rohit Bhargava 氏が San-Fran で開催された “Social Media Optimization Conference” で行った講演が話題になりました(参考記事:All Facebook)。Bhargava 氏はそこで “Likeonomics” という用語を提示しています(プレゼンテーション資料, Slideshare)。

プレゼンテーションでは、”Likeonomics” が以下のように説明されています。

“Likeonomics” とは、最も魅力的な人物やアイデア、組織が信頼されたり、モノがそこから買われ、そしてインスパイアを人々に与えるような存在となるような、親近感による新しい経済(the new affinity economy)を説明するキーワードだ。

新たな世界通貨は紙でできたものではない。それは関係性でできている。

オンラインにおけるソーシャルネットワークがこれだけ発達しているなかで、そのネットワーク上でブランドが流通し、共有されることが企業にとって非常に重要になっているのは間違いがないと思うのですが、ではその “Likeonomics” = 「ライク経済」における基軸通貨は “Like” でありうるのかという点では、どうも疑問が残ってしまいます。

Facebook の “Like” ボタンなどが標準化したいま、ソーシャルネットワーク上に情報共有をすることが容易になりました。その一方で、情報共有が容易になったことは、共有される情報の平均的な質的レベルが下がっていることもあるのではないかと感じます。そしてそれは、ひいては “Like” の価値の低下につながります。

Tweet110529

先日、こんなことを Tweet したのは、さっさと消えてもよいような過去に Like した内容がずっと Facebook のWall上から表示されたままなのを見てでした。”Like” は、自分のそのときの咄嗟の好意感情をあまりに簡単に表明できる手段なので、自分が長年重宝しているブランドにも、そして、たとえば友人が焼肉に行ってビールを飲んでいる写真にも、同様に”Like” します。こういう状況で、結局のところ “Like” はインフレーションを起こしているんじゃないかと思います。”Like” はときに一過的なアクションです。しかし、「ライク経済」下で得るべきは、いわば「長期的なLike」=ロング・エンゲージメントであることを意識する必要があります。


[Summary]
In mid-May, Rohit Bhargava, SVP of Ogilvy, introduced a new term “Likeonomics” in his presentation at Social Media Optimization Conference held in San Francisco. According to him, Likeonomics “explains the new affinity economy where the most likeable people, ideas and organizations are the ones we believe in, buy from and get inspired by” and “The new currency powering this global economy isn’t made of paper, its made of relationships”. I agree that it is and become more and more important for brands to be distributed and shared on social networks though, I still have doubts about “Like” as a key currency in “Likeonomics”, because I think “Like” has worries of inflation by its easiness to impress.

Written by shungoarai

6月 6th, 2011 at 2:00 am

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