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[雑記]帰国しました(メモ2:香港のスタートアップ事情)

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はじめて使った「Airbnb」をレビューした前回のエントリーに引き続き、旅行中に見聞きしたことをざっとまとめます。

2. 香港のスタートアップ事情

当初の予定にはなかったのですが、せっかく香港・シンガポールに来ているからということでいくつかテック系スタートアップのファウンダーにコンタクトをしました。あいにくシンガポールでは滞在日数が短かったこともあって会うことはできなかったものの、また機会を改めて会おうということでファーストコンタクト。香港では滞在最終日に、いま私自身が私的に手伝っているプロジェクトに近いドメインでiPhoneアプリを出しているスタートアップ起業家と有意義なランチミーティングを持つことができました。

その後、彼の紹介で彼も関わっているという湾仔地区のco-working place「BootHK」にも足を運びました。これまで香港ではスタートアップ向けのシェアオフィスのようなところがなかったらしく、MTR湾仔站(駅)からほど近い雑居ビルの13Fを使ったこの場所が香港初のco-working placeだということです(現在は上環地区に2箇所目をオープンしたとのこと)。

at BootHK, a co-working place in Wan Chai, Hong Kong Island

単に空間や設備を共有しあっているだけでなく、時折自分の進めているプロジェクトについて周りの人からも意見をもらっているうちにディスカッションになるような、とてもよさそうな環境でした。いろいろと話を聞いたことや、そこで見せてもらったプロジェクトなどからの感想は、

  • 香港でもテック周りのスタートアップ起業家は増えているが、投資家がまだあまりこの領域に目を付けていないので、ファイナンス面での環境はシンガポールのように整備されている状態ではないのが実情。(だから「これからなんだ」とポジティブなところが印象的でした)
  • どこでも考えているようなサービスってみんな一緒なんだなという感じ。住んでいる場所も言葉も違うとはいえ、「ソーシャル」のような人間的な概念は普遍的だから、それを核として作られていくサービスっていうのはどこでも同じようなことが考えられている。

という感じです。

 

他にも書きたいことはいろいろとあるのですが割愛します。ただ、これまで言語的・文化的な特殊性によって守られているマーケットとされていた日本にいることで、明らかに見えにくくなってしまっている事態が日本の外では進行しているということを、普段出張で行くことのあったこれもまた特殊なマーケットである中国本土以外の国を久々に旅行してみて思いました。

 

主に予定を入れていない週末などのオフの時間に撮った写真を Flickr にもアップロードしました。やはり写真を撮るのは好きです。

"Market" at Buffalo Rd., Little India, Singapore

"Market" at Buffalo Rd., Little India, Singapore

Written by shungoarai

7月 19th, 2011 at 9:30 pm

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[雑記]帰国しました(メモ1:Airbnbを使ってみた)

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6月末から2週間ほどの日程で香港・シンガポールを訪れていたのでブログの更新が滞っていました。今回の滞在はいくつかの目的を持っていたのですが、事前に多くのアポイントをとっていたこと、また、渡航後にもアポイントを増やしたことなどで多くの方と会うことができたこともあり、有意義なものとなりました。2〜3度に分けてメモを書いておきます。

1. 「Airbnb」を使ってみた

『シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略』でも取り上げられたWebサービス「Airbnb」は、以前から気になっていたのですが周囲に使ったことのある人もいないので、今回の旅行ではじめて使ってみました。「Airbnb」は、簡単に言ってしまうと、CtoCで部屋の貸し借りをするプラットフォームです。開始当初は投資家から白眼視されていたようですが、設立から3年弱の現在でユーザーの累計宿泊数160万泊、会社の評価額10億米ドルに達している成功したスタートアップ企業です(参考:TechCrunch JAPAN)。

今回の旅行のうち、香港での前半日程7泊と、シンガポールでの4泊の宿泊先をAirbnbで選びました。選び方はExpediaのホテル検索などとほぼ変わりません。Airbnbのトップで「滞在先」と「日程」を選んで検索します。

「滞在先」と「日程」をトップページで入力

検索結果画面には、その日程で利用可能な当地の物件が表示されます。

検索結果ページ

検索結果の表示は “Recommended”(評価のよさ)、”Distance”(目的地との距離)、”Price: low to high”(価格:昇順)、”Price: high to low”(価格:降順)、”Newest”(登録して間もない物件)でソートすることができ、表示されている物件の中から選んでいきます。

部屋の個人間での貸借なので、もちろん貸し手にも借り手にも不安はあるかと思うのですが、それを軽減するのはユーザーがいずれも比較的長めに書いているReviewや、Airbnb内でのFriendのコメントです。Reviewは、滞在期間が終了した後に、貸し手が借り手を、また借り手が貸し手と部屋について書く感想で、これらの情報と部屋のスペックを見比べながら候補を絞り込んでいきます。

そのなかで、私は香港・シンガポールともにそれぞれ2つの部屋の貸し手にコンタクトを取りました。すぐに “Book it!”(予約する)のボタンを押すこともできますが(これを押すと、今度は貸し手側が借り手をacceptableかどうかを判断して、受け入れるかどうかを決めるようです)、”Contact me” というボタンもあり、貸し手とメッセージをやりとりすることができます。このメッセージ機能については、貸し手の “Response Rate” も公開されているので、これも貸し手を評価する目安ともなります。私は、予約していたフライトの香港着時間が少し遅い時間だったので、遅い到着になっても大丈夫かどうかといった質問を、簡単な自己紹介と今回の旅行の目的などを添えて送信しました。

やりとりの結果、「レスポンスが早く、誠実だった」という理由で香港とシンガポールの滞在先を決定しました。取引が成立するまでは、貸し手の氏名も部分的にしか表示されていないのですが、成立後になってフルの氏名や、正確な住所、連絡先などが渡されます。そこで、さらにメッセージなどのやりとりをして、部屋へのアクセス方法などを教えてもらいます。

さて、当日実際に着くと、部屋の鍵を渡されます。余っているベッドルームを貸すケースなどが多いようですが、その部屋に間借りして住むようなものなので、玄関などの鍵が預けられます。また、家の中をざっと案内してもらいます。各物件の “Amenities” に設備概要は載っていますが、この時にキッチンはどこで、バスルームはどこで、Wi-fiのネットワーク名とパスコードはこれで、などの説明を受けます。香港での滞在先では、そうしたFAQがすでにファイリングされていました。

戸締り厳重な香港の家。3本の鍵を渡されました。

FAQや名所へのアクセス方法をまとめたファイルがありました。

CtoCで部屋を貸借をするというサービスですが、いわゆるホームステイと違うのは、あくまで「Airbnb」が提供をしているのは部屋であって、貸し手による歓待などは特にないということです。彼らの余っている部屋を一定期間間借りして、キッチンやリビングルームを共用するけれど、別にホストファミリーとして何か一緒にアクティビティをするというわけではありません。ただ、私は一回、週末に貸し主が友人を招いて開いていたホームパーティに「Shungoもジョインしなよ」と言われて参加しました。

はじめてのAirbnb体験でしたが、非常におもしろいサービスだと思いました。

  • 当地の人がどういう家に暮らしているかわかる。
  • リビングルームなどの共用スペースも使えるので、そこで貸し手などとコミュニケーションができる。

などの点が、主なポイントです。特に、当地に知り合いがいないうえ、ホテルに滞在するとなると現地の人と話す機会などかなり減りますが、現地に住む人の家に滞在するわけなので、コミュニケーションをとる機会はいろいろとあります。

一方、

  • ホテルに比べると価格はリーズナブルなところが多いが、しかし破格の値段で提供されているわけではない。

という理由から、価格面のメリットだけで選ぶのはあまりおすすめしません。あくまで、現地の人の家に気楽に滞在するというのがこのサービスのよいところなので、英語もしくは現地の言語でのある程度のコミュニケーションスキルがない場合は、十分に楽しめないかもしれません。

その他、雑多な気づきで言うと、

  • ユーザーがFacebookのアカウントとひもづいていたりするので(常にそうであるわけではないけれど)、安心感がある。
  • 海外の生活、といっても特にexpatな生活は垣間見られるかも。
  • 宿泊した2つの物件と、いろいろな物件のレビューを見る限り、貸し手は夫婦とかカップルで生活している人が多いようです。これももしかしたら安心材料なのかもしれません。
  • 海外で流行っているとは言うけれど、意外とまだデジタルな領域で仕事をしている人たちがユーザーには多いような印象。(香港での貸し手はほぼ同業な方でした)
  • 香港の貸し主から聞いたのですが、既に中国では「Wimdu」というコピーサイトがあるとのこと。そっくりです。

と言ったところです。

次回のエントリーで、その他の気づいたことなどをまとめます。

Written by shungoarai

7月 16th, 2011 at 6:30 pm

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Start to “Think Webby”

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しばらくブログを書くことを怠っていたのですが、再開することにしました。

以前は、気になったWebプロモーションや広告クリエイティブ、読んだ本や観覧した展覧会などのメモ代わりとしてブログを書いていたのですが、ここ1年以上はほとんどTwitter上への投稿を日ごとに自動的にまとめただけのものとなってしまっていました。再開にあたって、この新しいブログを作ることにしました。

この数年間での Twitter や Facebook をはじめとしたソーシャルサービスの浸透が、私たちの情報摂取行動のありようを変えたことは明らかです。
ソーシャルグラフ上で一次的、二次的、あるいはそれ以上の隔たりにある数多くの人によって膨大な情報がソーシャルメディア上に発信され、それら膨大な情報は、やはり自分のソーシャルグラフ上にいる興味・関心を共有している知人・友人たちのセンスによってフィルタリングされて、私たちに届くようになりました。ある意味において、質的にも量的にも向上した情報摂取を可能にする仕組みが実現されたともいえます。
たとえば、関心のある領域において周囲の人々が重要とみなしたトピックは、同時的に、あるいは時にいくらかのタイムラグを持って、さまざまな人によって至るところでポストされることが一般化したため、現在ではそうしたトピックを見落とすようなことはずっと少なくなったと思います。

しかし一方で、このソーシャルな情報流通経路のなかで、私たち自身はパッシブな役割を引き受けてしまったのではないかとも感じます。
せっかく独力で収集するには膨大すぎる量のなかからふるい分けられた大事な情報を受け取っているものの、とかく私たちはそれをただリツイートしたりするだけに留まってしまっています。「私はその情報に関心を寄せた」というサインを残すのみで、その一歩先に踏み込まなくなってしまっているのが、ソーシャルな情報流通網に参加している私たち多くの人の態度なのではないかという気がしています。

このブログでは、受け取った情報を少し立ち止まって考えてみることを心がけようと考えています。
“Think Webby” というタイトルは、「Webのことについて考える」という意味と、ソーシャルグラフなどの経路を伝って届けられた情報と情報とをつなぎ合わせて絡めて考える――つまり “web” の本来的な意味である “クモの巣” に近い意味合いで「Web的に考える」ということを意識しています。


[Summary]
Popularization of social services such as Twitter and Facebook clearly changed our information collection style. Since people in our own social graph pick up much information and information are filtered while delivered on and on the social graphs, our information collection must have got better both quantitatively and qualitatively. But we may become much passive player than before because of the convenience in such environment. Trying to be in this social information distributing network actively, decided to restart blogging.

Written by shungoarai

5月 8th, 2011 at 2:00 am

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