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インターネットの普及フェーズと技術フェーズの差

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中国のインターネット産業に関するニュースメディア TechNode が今週掲載したインタビュー記事は非常に興味深いものでした。インタビュー相手は、中国で2600万人の会員を抱える婚活サイト珍愛網(Zhenai)や、Foursquareに似たロケーションベースサービス(LBS)の嘀咕網(Digu)の創業者である李松(Dr. Song LI)氏です(インタビュー記事)。

この短いインタビュー記事では、投資銀行勤務から起業家に転じた李松氏のアントレプレナーシップにフォーカスが当てられていますが、途中からは彼の目から見たサービスの展望などが語られます。

「今後10年間ではモバイル領域における機会がさらに増えることでしょう。私は『ソーシャル』、『ローカル』、『モバイル』という3つのキーワードにフォーカスをしています」

「『チェックイン』は、標準的な機能になっていくと思います。そこでキーとなるのは、ロケーションをもとにしてソーシャルな交流を強めるような機能を開発することにあり、それは容易なことではありません。近くにいる人とソーシャルな関係を築く理由を与えられるかどうかが問題です」。李氏は、拡張現実がLBSに加えられていくことも確信している。

至極当然のことなのですがあらためてここで気づかされるのは、新規サービスを作るうえで起業家・開発者が念頭に入れているトピックは、各国間のインターネットの普及率の差などといったものとは独立しているという事実です。ある市場において、インターネットの普及がどのフェーズにあるかと、そこで提供されるサービスのテクノロジーがどのフェーズにあるかは、必ずしも一致しません。これは同時に、先進市場において成功をしているサービスをそのまま別の市場にローカライズすることの困難さをも示しているようにも思います。


[Summary]
Interview with the founder of Digu, a leading Chinese LBS, shows us that entrepreneurs and developers are taking notice of same kinds of topics, such as “mobile”, “local”, “social” and etc. , independently of developed countries or developing countries. There must be a gap between the internet penetration phase in certain market and the technological phase in that market.

Written by shungoarai

5月 8th, 2011 at 6:00 pm

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2 Responses to 'インターネットの普及フェーズと技術フェーズの差'

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  1. […] 先日、「インターネットの普及フェーズと技術フェーズの差」というエントリーをポストして以来、インターネットの浸透度について関心をいだいているさなか、ある記事を読んで驚いたあまりTwitterに投稿した内容がこれです。 […]

  2. […] しかし、この比較はさほど意味を持たないということを常に意識しておくことが必要だと思っています。人口普及率こそ日本の10年前の状況だとはいえ、インドネシアのインターネット利用者が見ているオンラインの世界はすでに、Facebookが主要プレイヤーとなった2011年の世界です。先日書いた「インターネットの普及フェーズと技術フェーズの差」というエントリーはサービス事業者の目線について考えたものですが、これはサービス利用者の目線から捉えると、「インターネットの普及フェーズと利用サービスのトレンドの差」とも言い換えることができるでしょう。 […]

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