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[Data]中国のインターネット人口に占める若年ユーザー

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先日、「インターネットの普及フェーズと技術フェーズの差」というエントリーをポストして以来、インターネットの浸透度について関心をいだいているさなか、ある記事を読んで驚いたあまりTwitterに投稿した内容がこれです。

SurprisedAtTaomeeUserNumber

TechNode の「淘米 vs 騰訊 – 子ども用SNS市場での戦い」という記事を読んでの感想だったのですが、記事中で紹介されている中国の子ども用SNS市場をリードする淘米網(TaoMee)の登録ユーザーが1億8000万人、そしてそのうち3〜5000万人がアクティブユーザーだという 情報は、はじめこそ驚いたものの、後から考えるとその規模が信じがたく、とりあえず中国のインターネットユーザーに関する統計を参照してみました。

中国互聯網絡信息中心(中国インターネット情報センター、CNNIC)が定期的に発表をしている “Statistical Reports on the Internet Development in China” の最新版(第27版, 2011年2月28日, PDF文書)によれば、2010年12月時点の中国のインターネット利用者数は4億5730万人です。

中国のインターネット人口推移(CNNIC)

また、同じ報告書にはインターネット利用者の年齢構成もあり、それによれば10代が27.3%、20代が29.8%と、かなり若年層に偏った構成になっていることが見て取れます。

中国のインターネット利用者年齢構成(CNNIC)

インターネット人口が4.6億人の国で、登録ユーザーが1.8億人ということは40%弱ということになりますし、「子ども用SNS」の対象年齢の定義は上記のTechNodeの記事のみではわからないものの、その数は10代の全インターネット利用者数をはるかに超えているわけで、これは簡単に信じることは難しい数字と感じます。

しかし、これとは話は別にしても、中国のインターネット利用者に占める学生の割合の大きさには眼を見張るものがあります。CNNICの統計によると、学生が全体の30%を占めていることがわかります。

中国のインターネット利用者職業構成(CNNIC)

この統計から短絡すると、あるいは中国のインターネットサービスはいまのところ可処分時間の多い利用者たちに支えられているということができるかもしれませんし、それはインターネットのより一層の普及によってトレンドが変わる余地が多分にあるということかもしれません。


[Summary]
According to a TechNode article, a leading kids SNS in China, “TaoMee”, has 180M registered users and 30M to 50M active users, but it seems a bit incredible when referring to CNNIC’s internet statistics in China which shows whole internet population in China was 457M as of December 2010. On the other hand, CNNIC’s data saying 30% of whole users were students may tell us that current Chinese popular web services are mainly supported by such youth having much disposal time.

Written by shungoarai

5月 15th, 2011 at 12:00 am

Posted in Data

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2 Responses to '[Data]中国のインターネット人口に占める若年ユーザー'

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  1. 「金はないけど暇はある」層が主要利用者層だとすれば、今後「金はあるけど(あんまり)暇はない」というステージに上がったときにも継続利用が行われて、マーケットサイズがドーンと広がる、っていう理解でいいのかしらね!

    中国すげーなー。淘米網すげーなー。

    TadafusaHonda

    18 5月 11 at 14:53

  2. CNNICの統計は、あらためて見てみると驚くことばかりです。しばしば中国の沿岸部と内陸部の格差は語られますが、インターネットの普及に関してもやはり同様です。それでも、総じて人口比34.3%の普及率であるということは、(沿岸部と内陸部の人口分布はまだ見ていませんが)沿岸部でのインターネット普及率は相当高いのではないかと見えます。

    あと、参照したTechNodeの記事も興味深いですね。人気ゲームという自社コンテンツを武器として擁している淘米は、それをベースとしてオフラインビジネス(書籍、玩具、衣服ということなのでキャラクタービジネスですね)で全体の10%を稼ぎ出していて、今後、アニメ化・映画化などを通じて、オフラインビジネスの比率を50%にまで引き上げるという計画を立てている、というところからも中国の経済成長が垣間見られるって点も興味深いですし、淘米の君臨する市場に食い込もうとする騰訊は、映画会社や出版社などのコンテンツホルダーと組むということが描かれていて、戦略の点でもおもしろい記事でした。

    shungoarai

    18 5月 11 at 20:27

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